2003年はラグビーのワールドカップが開催された年だった。やっていたことを知らないひとのほうが多いのだろう。不思議なことかもしれないけど、日本では同じワールドカップでもサッカーと比べたら盛り上がり方がまるで違う。まだ5回目の大会だし日本代表はいつも予選で力の差を見せられてしまっている。でもラグビーってそんなに面白くないのかな。
結果はイングランドが北半球の国として初めてエリスカップを手にした。そのイングランドと準決勝で対戦したフランスはトライを1つも与えなかったのに敗れてしまった。悪天候のなか気がついたら簡単には追いつくことができない点差になってしまっていた。「シャンパンラグビー」なんて言われるけどフランスのラグビーはもっとずっと力強い。フランスにはすこし気の毒な試合だった。
イングランドは勝つべくして勝った。背番号10番のキック力だけで勝ったと書いた記事もあったけどそんなふうには見えなかった。ひとつの得点を獲得する機会を確実に全員で作ってそのやりかたをずっと迷わなかった。もっと走りたい選手もいたかもしれないけどフランスもオーストラリアも強かった。そう思うと1つのゴールが決まる瞬間は迫力がある。
今年の早明戦で早稲田大学の赤黒のジャージの襟には喪章があった。試合の前も後も政治の雰囲気が入り込んでいた。明治大学の選手だっているんだし気持ちはわかるけどどうかなとそのときは思った。個人の感情が優先され過ぎているんじゃないのかな。でも試合はここ数年のなかではいちばんいい内容の早明戦だった。ロスタイムまで早稲田が勝つかはわからなかった。
自分の話になってしまうけど、クリスマス前に小学校中学校が一緒だった同級生が急に亡くなった。彼とは卒業してからもよく遊んでいた。お世話になっている方が食事に来てくれる日だったけど僕はお通夜に行った。びっくりするくらいの人数の同級生が彼のために来ていた。きっとみんなが同じ気持ちだった。何かいま自分にすこしでもできることがあるかどうか。そのときに早明戦の喪章を僕は思い出した。