2004年度のラグビーの大学選手権は早稲田大学が2年ぶりの優勝を果たした。12度の優勝回数は明治大学と並ぶことになる。
国立での決勝は4年連続のカードになった。結果は想像されていたものと同じだった。でも早稲田を応援していたひとたちは、最後までその予想を簡単には信じられなかったかもしれない。
10年くらい前の関東学院大学の試合は、伝統校を倒したいという気持ちのかたまりのようだった。この8年間の決勝で常に見る水色のジャージに新しいイメージはもうない。準決勝ではリーグ戦で敗れた法政大学に対して一度もリードをされないで試合を運んだ。たった3点の差は運がよかったからではない。青のヘッドキャップはキャプテンマークだった。3年生なら自分の年がまだある。今年の準優勝には価値がある。
ラグビーはフォワード、と言うひとは多い。今年の早稲田は特に当てはまるのだろう。でもどの大学も同じようにできるわけではない。決勝戦での自陣から4番が走り抜けたトライは早稲田にしかできない。トライ後に4番をすぐに取り囲んだのは一桁の背番号の選手たちだった。
1月15日に日本選手権が行われなくなってからもう何年になるのだろう。秩父宮での早稲田とトヨタ自動車の試合には、社会人チームの試合では見られないほどの観客がいた。その観客はどちらが勝つのかを見に来ていた。1月15日は今では祝日ではないし、ラグビーのルールもずいぶん変わっている。荒ぶる早稲田の試合には僕が小さいときに見ていたラグビーの空気があった。
それでも時間はやっぱり進んでいく。学生が負けたあとの試合の観客席は寂しい。国内で最高のレベルの試合なのに内輪の競技会のような雰囲気になっている。これなら日本にエリスカップは来てほしくない。
大学選手権の決勝で、早稲田は今年初めて後半に相手にリードを許した。風上の関東学院に深いタッチキックを蹴られると国立に自然に大きな声援が起きた。そこからもう一度逆転するまではプレーが切れなかった。2011年の日本代表の中心になる選手がここにいるかもしれない。惹きつけられるものはまだある。見てみたいものもある。