2008 . 04 . 13

Image232.jpg

雛鶏の海塩包み焼き、春キャベツのブレゼ添えです。約800グラムの雛鶏を、1羽丸ごと塩で包み、オーブンでゆっくりと火を通します。塩で包むことにより、雛鶏のうまみと熱が外に逃げません。甘みのある春キャベツとともに、スープ仕立てでお出しします。オーブンから出した後に、テーブルでお切り分けします。お二人様単位でご注文ください

ken
 
 
1月15日(火)~23日(水)を冬期休業とさせていただきます(2007.12.30)
12月31日(月)~1月6日(日)は、3150円のディナーコースをお楽しみください(2007.12.26)
12月22日(水)~25日(火) 2007年クリスマスディナーメニューのお知らせ(2007.12.7)
スタッフ募集のお知らせ
ミネラルウォーター「ペリエ」プロモーションのお知らせ(2007.7.13)
5月26日(土)は18時からの営業とさせていただきます(2007.5.24)

   

 quelques mots du tabac

2月1日からフランスでは公共の施設での喫煙が禁止になった。会社や学校、商業施設などではタバコを吸うことができなくなった。カフェやレストランなど、店舗にだけは猶予期間があるそうだけど、それでも来年からは完全に禁煙になる。違反者にはもちろん、施設の管理責任者にも安くない罰金が科せられることになった。
2年くらい前にまずTGVでタバコが吸えなくなって、昨年からはSNCFのすべての車両が禁煙になっている。もう列車の切符を買うときにタバコの煙を気にすることはないし、タバコの言葉を覚える必要もなくなった。だから今回の新しい法律にももう驚くことはないのかもしれない。
僕がこの仕事を始めたとき、周りでタバコを吸っていない人間を探すのは難しかった。仕事の合間の何回かの短い休憩は「一服」と呼ばれる時間だった。他人と会話をすることにも慣れていないのに、さらにタバコを吸わないとなると声をかけてもらえない。僕はその「一服」の時間が苦痛だった。だからこそそういう時間がどれだけ大切なものかも本当に肌で感じた。僕がタバコを吸わなかったのは年齢とか健康のせいではなくて、きっとこの仕事を続けるつもりじゃなかったからだと思う。ただ単に周りの真似をするのが嫌だった。
昨年公開された、ジェイソン・ライトマン監督の「サンキュー・スモーキング」を観た。タバコに関する映画でもあって、そうでない映画でもある。喫煙のシーンは一度もない。大切なことは自分で考えて決めること。観客が自由に観ることのできる作品というと上品に聞こえる。でもどこかにタバコやタバコの周りにある何かへの愛情がなかったら、こんな映画は作らないだろう。もし喫煙が健康に良くて、ダイエットに効果があると決定したら明日からタバコの売れ行きはどうなるんだろう。こういう映画を作るのはフランスよりもアメリカのほうが上手い。
料理とサービスには色んな要素が詰まっている。その中にはタバコ以外にも周囲に迷惑をかけるものがいくつもある。タバコがいけないものでアルコールが問題ないのなら、それだけでもその空間はいびつになる。フランスにしてはこの新しい法律は貧相な決まりごとに思ってしまう。フォワグラを数日食べ続ければ間違いなく誰だって痛風になる。タバコだけに悪い印象を押し付けるのは極端すぎる。
僕はきっと自分の作る店を禁煙にすることはしないと思う。アルコールを飲めるひとがいるのとそうでないひとがいるのと同じ。でも何かのときにはちゃんと周りを見てほしいと思う。そうすればタバコは素敵なアイテムのままだ。それがうまくいかないときにだけセルヴールが口を出せばいい。そういう感覚が楽しい空間を作っていってくれる。
ジム・ジャームッシュの「デッドマン」では、ジョニーデップの演じるウィリアム・ブレイクが何度もインディアンに「タバコあるか?」と訊かれる。それはタバコが欲しいという意味ではなかった。僕がこの映画を繰り返して観たのはこの台詞の意味がわからなかったからだった。